Woman’s おすすめポイント
憧れの男性よりも、好き勝手な物言いでも、身近にいてくれる男性にこそ幸せが隠れている、そんな灯台下暗し系ラブストーリーでもあります。憧れの男性は、やっぱりどこか雲の上で、「自分がそんな人とお話できるなんて・・・!」というように、そんな気はなくても、付き合い方に上下関係が出てきてしまいます。だから、思っていることを口に出せなかったり、相手の言いなりになってしまったりと、結果的にはその関係は続かないものです。反対に、自分に対して失礼な物言いをしてくる男性に対しては、自分も素直に「嫌」という気持ちを伝えられるもので、結果的にそんな素直な相手から漏れ出たひとことから、自分を大きく変えるきっかけができたり・・・と、自分を殺すことなく付き合えるいい関係を築けるのです。【幸せのための27のドレス】は、27回分誰かのために尽くしてきた女性が、誰かのためではなく、自分のために、自分の気持ちを我慢することなく、幸せへと向かう映画です。
「自分にも尽くしてあげて」そう応援したくなる主人公

キャサリン・ハイグル演じるジェーンは、エドワード・バーンズ演じる上司のジョージが好きで、ジョージのために働く気の利く部下であり、マリン・アッカーマン演じるテスの母親代わりとなるできた姉であり、友人の結婚式の手伝いをなんでもやる敏腕ブライズメイドでもある女性です。彼女を一言で言うならば、”尽くす女”でしょう。いつでも自分を殺して、上司のため、妹のため、友人のためと、誰かのために気を配る生活をしています。気を配ることができる女性は素敵です。しかし、自分を大切にできる女性はもっと素敵です。「誰かのために」と頑張るゆえに、気になる男性ジョージが、自分をパーティーの同伴者にはしてくれないのに、シャツのクリーニングをお願いされればやってしまう、ジェーンはそんなただの世話係に自ら成り下がってしまっています。応援したくなるほどに健気なのです。
選ぶならどっち?憧れの男性・なんでも言える男性の究極の選択

ジェーンが憧れている上司ジョージは、確かに魅力的な人物です。きっと仕事もできてやさしくて格好良くて・・・ジェーンも、一緒に仕事をしていくうちに惚れてしまったのでしょう。反対に、ジェームズ・マースデン演じるケビンは、ジェーンのことをからかったり、ジェーンが夢中なウェディングに夢を抱いていなかったりと、ジェーンとは意見が合っているようには見えません。しかし、恋愛に必要なことは、意見が合うことだけではないのです。なんでも褒めてくれ、自分を頼ってくれるジョージとは反対に、ケビンは意見も合わなければ、からかってくる存在です。ただジェーンは、ケビンとであれば対等な意見交換ができています。ジョージとであれば「NO」とは言えません。自分の意見をぶつけても、相手からも返答が返ってくる、つまり、恋愛において大切なのは対等であると、この映画は教えてくれるのです。
ジェームズ・マースデンの魅力

2005年【きみに読む物語】、2007年【魔法にかけられて】、2007年【ヘアスプレー】、2012年【バチェロレッテ あの子が結婚するなんて】など、様々な恋愛映画に登場しているジェームズ・マースデン。ブルーの瞳が綺麗で、笑った時に頬に皺が寄り、笑顔をさらに魅力的にしてくれます。【きみに読む物語】では、ヒロインの夫となる予定の彼という設定でしたが、清潔感のあるイケメンっぷりを十二分に発揮していました。【魔法にかけられて】では、まさにおとぎ話の王子様役にはピッタリうってつけ!といったハマり具合でした。あのキュートで無垢な笑顔が、おとぎの世界の住人であることを証明しているかのようでした。そんなジェームズですが、今回はリアルな世界を舞台にした映画で、気取らない格好良さを見せてくれましたね。ばっちり決めた髪型と王子様のような服も似合いますが、ラフな感じもまた素敵でした。
知る人ぞ知るエドワード・バーンズ

ハッピーエンディングな映画でいえば、2002年【ブロンド・ライフ】、2007年【ホリデイ】などに出演しているエドワード・バーンズですが、普段は渋い役柄もこなすらしいという雰囲気を全く見せない、完全に優しいデキる上司、といった印象です。たれ目がちな優しそうな目元に、ちょっと高めでかすれた感じの声がセクシーだからでしょうか、女たらしの色男役がはまり役です。恋愛映画でもちょい役が多く、ヒロインの元彼や、ヒロインと恋仲になりそうでならないとか、そういう役柄が多いのも、やはりそのイメージがあるからなのでしょうか。しかし、彼の甘いマスクにはどうしてもやられてしまいます。今回もきちんとしたスーツ姿を披露しているため、デキる男感もあり、見入ってしまうこと間違いありません。
断捨離がしたくなるかも!

ジェーンは、ブライズメイドを務めた際のドレスを、全て今まで取っておいていました。それらがパンパンに詰め込まれたクローゼットとは裏腹に、取材をしている記者のケビンからの「サポート役ばかりで自分のことは?」との質問に答える彼女の顔は、少し寂しさが滲んでいました。しかし、このパンパンのクローゼットの中身を捨てる時、ジェーンの顔はすっきりとして笑っていました。女性のクローゼットは、まさにその女性自身を表していると思います。思いをや服を溜め込んでしまったり、関係を切り捨てられないように服を捨てられなかったり。そんな女性のクローゼットを片付けるということほど、意味のある描写はないでしょう。クローゼットを片付けたジェーンは、自分の気持ちも全て掃き出し、整理し、また新たにそこに詰め込む何かに向かうことができます。そんな、女性の再出発を描いたシーンは爽快で、断捨離をしたくなるかもしれません。
やっぱり結婚は全ての女性の夢

印象的なセリフがあります。
花嫁がいよいよ入場という瞬間 その時の花婿の顔がいい
奴隷の一生を選ぶなんてバカな奴とは思うけど 幸せな表情をしている
新聞の結婚記事を書く記者ケビンが思う、結婚式のいいところ(字幕版日本語訳)
普段は辛口で、「結婚なんて」という言葉がすぐにでも飛び出しそうなケビンが、結婚式の良い点を挙げた時のセリフです。意外にも温かな目線からの感想で、ジェーンだけでなく私たちまで驚かされました。しかし、この言葉は結婚というものに対して、とても心を打つ感想で、同時にとても的を得ているように感じます。結婚は、簡単なものではありません。お互いの気持ち、お互いの生活、お互いの家族、全てのことに気を配り、時には辟易してしまうこともあるでしょう。でも、結婚をするということは、必ず一度は、その相手の気持ち、生活、家族に向き合うことを決めるほどに、熱い気持ちを持ったということです。その時の気持ちこそが、結婚式のこの場面での花婿の顔に現れ出ているのです。結婚をしている人であれば、結婚した当時の気持ちを思い出す機会に繋がるでしょう。いずれにしても結婚に対する気持ちを、もう一度熱くさせてくれる映画です。そして、もう一つ確かなことは、この映画をきっかけに、出席する結婚式では花嫁よりも花婿を見てしまうということでしょう。
Woman’s おまけポイント

主演のキャサリン・ハイグルをはじめに、ジェーンの同僚役のジュディ・グリア、ジェーンの妹テス役のマリン・アッカーマン、ジェーンの会社の受付嬢役のクリステン・リッターなど、【幸せになるための27のドレス】には美女がいっぱいでした。ジュディ・グリアは、ヒロインの友人役など、脇役だけれど存在感がある役にちょいちょい登場しているため、見たことある!という人も多いはずです。2000年【ハート・オブ・ウーマン】、2009年【わすれた恋のはじめかた】、2011年のアン・ハサウェイ主演【ラブ&ドラッグ】などにも出演しています。美人で華やかだけれど、主役をつぶさない、そんな良さがある彼女です。脇役だけど気になる存在でいえば、クリステン・リッターもその一人。海外ドラマ【ゴシップガール】、2008年【ベカスの恋に勝つルール】、2009年【お買いもの中毒な私!】にも出演しています。黒い髪に印象的な太眉と短め前髪、まつげの長い大きな目に赤いリップと、洒落感が止まらないクリステン。存在感を放つ彼女に釘付けになってしまいます。
kato
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