Woman’s おすすめポイント
結婚とは、相手に惹かれ、相手との未来を描きながらするものです。そう聞くと、一見結婚は相手をよく見定めること、つまり相手との関係や、相手そのものについてフォーカスすることのように思えます。しかし、本当にそれだけでしょうか?この映画は、結婚が本来どういう心境をもたらすものであるのかを教えてくれるようなストーリーでもあるのです。相手は自分に良くしてくれているけれど、何かが自分の中でもやもやすることってあると思います。もしかしたらそれは相手ではなく、自分自身とよく向き合わないからこそ起こる気持ちなのかもしれません。
結婚とは相手と向き合うもの?
結婚と聞くと、相手のことをよく見定めて、相手との相性が合っているか確認して・・・と、直観的に“相手”にフォーカスして考える人も少なくないでしょう。もちろん、相手あっての結婚ですし、自分1人の人生設計が2人分になるのですから、相手をよく見ておく必要はあります。しかし、そう思われがちな”結婚”がキーワードである【ブライダル・ウォーズ】では、意外なところに落としどころを持ってきているのが印象的です。
アン・ハサウェイ演じるエマは、教師であり、同僚の毎度毎度のお願いにNOと言えずに仕事を引き受けてしまうお人好しなタイプでした。反対にケイト・ハドソン演じるリヴは、大胆な物言いやアグレッシブな姿勢が売りの強気なタイプです。この正反対な2人が、実は最後にこれまた”正反対”な結論を出します。お人好しだったエマは、自分の中に自由奔放で楽しい人柄を見出し、批判や反論や攻撃が得意な強気だったリヴは、相手のことを思いやる心を持った純真な自分を見出すのです。このことが伝えるのは、結婚において向き合うべきなのは相手だけではないということ。それに、自分を深く知ることなしに、自分に合った相手は探せませんよね。
結婚で見える自分自身を愛す
そして、エマとリヴが素敵だったのは、自分が見つけた自分自身の新たな一面を受け入れることができているということです。どちらも挙式中に新たな自分自身を自覚しますが、一瞬混乱はしながらも冷静に自分を受け入れてあげています。きっと強さが売りのリヴにとって、女々しい部分を見せるのは嫌なことでしょう。そして今まで”良い子”として生きてきたエマにとっては、奔放な自分の姿を自分が認めるのも、自分の周りの世界にオープンにすることも怖かったに違いありません。しかし、本当の自分に嘘をつかないで、素直に認めてあげることができたとき、きっと幸せな結婚ができるのでしょう。
【ブライダル・ウォーズ】でこう言っていました。
式直前の1か月は 2人が協力して問題を解決できるか 試される期間でもある
最初の熱狂が冷めて不安になってくるのだ あるカップルは根本的な対立が表面化する
またラッキーなカップルはハーモニーの良さが際立ってくる
【ブライダル・ウォーズ】敏腕ウェディングプランナー・マリオンのセリフ(字幕版日本語訳)
これは、普通であれば相手との相性の話、つまり当事者からすれば相手の話として捉えるものでしょう。しかし、それだけであるとも言い切れないような気がしています。自分自身のことをどれだけ深く知れているか、自分でも分かりませんよね。人生において特殊な時間である、結婚準備に勤しむ期間は、実は、今までは感じなかった新しい感情が湧き起こったり、今までは気にしなかったことが気に障ったりと、新しい自分に気がつく期間でもあります。まずはそうした別の面の自分や、今まで隠していたけれど本当の自分の素性(強いリヴが繊細で、お人好しエマが奔放みたいな)にしっかりと向き合い、受け入れることが良きパートナーと結婚するために必要なことなのでしょう。
ラブコメの女王ケイト・ハドソンと売れっ子アン・ハサウェイ
アン・ハサウェイについては、With Moviesとして紹介することも多い女優さんで、その大きな目とハッピーな頬の色に白い肌と、全ての条件がラブストーリーやラブコメにピッタリの女優さんでしょう。女性が憧れてしまう、特に日本の女性が憧れのまなざしを浴びせて止まないのが、アン・ハサウェイですよね。【ブライダル・ウォーズ】では、ちょっとお堅そうな教師役であったり、服装もワンピースやシャツにカーディガンなど、教師役にぴったりのイメージを醸し出しているかと思えば、リヴに宣戦布告してから雰囲気が変わり始め、迷いなく攻撃する様子や、リヴの婚前パーティーに招かれざる客として登場し、思いっきりセクシーなダンスをしてハメを外す役を演じています。これもアン・ハサウェイの醍醐味です。他の作品でも地味子から一転美女など、このギャップ役を卒なくこなせるのはアンしかいないでしょう!
2003年の【10日間で男を上手にフル方法】2008年の【2日間で上手に彼女にナル方法】などは、ケイト・ハドソンのラブコメの代表例と言えるでしょう。そしてそれだけでは終わらないのがケイトです。【私だけのハッピー・エンディング】は涙が止まらない物語であり、【Something Borrowed/幸せのジンクス】など、With Movies的隠れた名作への出演経験もあります。THE海外美女のトレードマークである綺麗なブロンドヘアはどの作品でも健在ですし、それでいて馴染みやすいスマイルの可愛い顔立ちが、日本のファンを虜にしています。
やっぱり楽しいウェディングシーン!
『結婚は自分を見つめ直すものだ』としながらも、見逃せないのが結婚メソッド。海外の結婚式は特にデザインやアイデアがお洒落ですよね。物語が始まる際に、エマとリヴが幼かったころに結婚式を夢見て2人で詰め込んだBOXには、結婚式ごっこに使ったベール、指輪、ティアラ、アクセサリー、デコレーションした絵や人形、海外の結婚には欠かせない”サムシング・Blue&Old&Borrow”の髪飾りなどがたくさん詰め込まれています。そのシーンだけでもワクワクしてしまうこと間違いなし。そしてちらりと映るプラザホテルのウェディングデコレーションは、未来の花嫁たちの参考になることでしょう。
そして2人がしていく準備の工程を観るのも楽しめます。ドレス、ケーキ、お花、音楽、クロスの色、ワイン・・・。たくさん決めることがあるのでしょうが、それらを次々に決めていく彼女たちの様子は、張り切っていて楽しそうです。それらのシーンは華やかで私たちまで楽しい気持ちにさせてくれます。2人が、自分の一大イベントに向けて、美容院に行ったり、健康的な色に日焼けするためにサロンに行ったりするシーンは、(ほとんどがお互いの策略で終わってしまうのですが)自分を綺麗にするために努力をするシーンでもあり、美容意欲が湧いてくるシーンです。美容に時間を堂々と使えるのは花嫁の特権でもありますよね。実際に結婚式当日に成果が出ていることも大事ですが、結婚式に向けて、1回はエステやサロン、美容室やネイルなど美容にお金をかけてみるのも、花嫁らしい時間を過ごしているという実感ができて良いかもしれませんね。とにかく、結婚式に興味がない!という人でも、【ブライダル・ウォーズ】を観たら、その楽しい雰囲気に心が躍るはずです。
Woman’s おまけポイント
結婚がもたらす変化は、実は結婚がきっかけとなっているだけで、きっと自分たちの中にあるのでしょう。迷いや不安が起こるとすれば、それは自分の中の”別の自分”に気づいていながら、気づかないふりをしているからだけかもしれません。自分が本当に求めること、自分の本当の性格、自分が在りたい自分像。これらとしっかりと向き合うことで、丸裸になった自分が求める相手こそが、あなたの本当のパートナーなのです。相手でも相性でもなく、自分の中に答えがあるんですよね。【ブライダル・ウォーズ】は、ドタバタ策略シーンがメインにありながら、隠れメッセージとしてこんなようなことを考えさせてくれる、実は女性にとって1度は観たい映画なのかもしれません。
kato
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