Woman’s おすすめポイント
女子ならば、誰もが経験していることでしょう。見た目でイケてる、イケてないを判断されたり、自分の好きだと思ったことをダサいと言われたり、魅力的なあの子(だけどちょっと意地悪)に翻弄されたり。女子ならきっと誰もが体験してきたことを、ポップなカラー感とレイチェル・マクアダムス、アマンダ・セイフレイド、リンジー・ローハンら豪華なキャストで表現した作品。”ミーン(意地悪)ガール”を嫌いだと思いたい反面、正直ちょっぴりイケてると思ってしまう自分がいる・・・そんな思春期まっさかりの気持ちをリバイバルできます。【ミーン・ガールズ】は、その時代を今まさに生きている人だけでなく、大方くぐり抜けてきたアラサーたちにも、自分らしく在ることの素晴らしさをもう1度教えてくれる作品でしょう。そんな女子の世界をぎゅっと凝縮した【ミーン・ガールズ】を、女子あるあるとともに紹介していきます。
共感ポイント①見た目で判断される
リンジー・ローハン演じるケイディが、高校に通い出してはじめてできた友達ジャニスとダミアンに『(友達なら)すぐ作れるその顔なら』『”適度に可愛い”』と言われるシーンがあります。海外の映画だからこれだけストレートに伝えていますが、日本ではこういう会話はいちいちされることはないでしょう。でもきっと、それぞれの心の中では唱えられているはずです。なんとなく一目置かれる存在になる子は、それなりに尊敬される部分があるものです。それが容姿であれば、中身を知ってから・・・と深く知る必要がないので仲間に入れてもらいやすいのでしょう。そして”適度に”というのもポイントで、あまりに美女過ぎるのも不慣れな環境では足手まといになることもあるよう。だからこそ”適度に可愛い”が一番の誉め言葉になるのです。それにしてもこの頃のリンジー・ローハン本当に可愛かったですね~。
共感ポイント②派閥は絶対にある
ヲタク系アジア人、クールなアジア人、アフリカ人、変人、ミーハーな人、そしてミーンガールズの代表のような、レイチェル・マクアダムス演じるレジーナやアマンダ・セイフレイド演じるカレンたちの派閥・・・。ケイディがジャニスからもらった校内の案内図には、ランチ時の席順があり、そこにはこれら各派閥のことがかかれていました。学生時代、派閥ってありましたよね。仲の良い学校でも、なんとなーく普段一緒にいる人は決まっていたものです。もしかしたら女性ばかりの職場であれば、まだ派閥の存在する場所にいる女性もいるのかもしれません。でも派閥って悪い意味ばかりではなくて、要は一緒にいて楽しい人たちを選べているのであればそれでいいのです。派閥ありきで考えて、あそこの派閥に入りたいからこれするあれするみたいな考え方は、自分を偽っている行動でオススメできませんが、自分の好きなことを貫いた結果、周りに人が集まったなら、それは素敵な派閥になるでしょう。どの派閥が上の立場で、どの派閥が下の立場で・・・なんていうのは、本来はないのですから。
共感ポイント③必ずいる”人たらし”に要注意
【ミーン・ガールズ】ではレイチェル演じるレジーナが完全なる人たらし候補でしょう。レイチェル・マクアダムスの登場シーンからも分かるように、彼女はとても魅力的です。正直言って誰もが見惚れてしまいます。レイチェルを初めて見たケイディも、ちょっと憧れの気持ちがこもった目で見つめていますし、敵であるはずのジャニスでさえも『1言では言い表せない』と言う言葉には、少なからず羨望の想いも含まれていたように感じるほどです。レイシー・シャベール演じるグレチェンが、少しグループ内で浮き始めていたころ、『突き放されるほどに追いかけた』というナレーションが入ったり、ケイディもレジーナには好かれていたかったという思いがあることが明かされています。レジーナは意地悪をしてはくるけれど、その華美な姿に憧れる女の子はたくさんいたのです。だからと言って、その思いに漬け込むのは良くないですが、”ミーンガール”と呼ばれる子は、大概魅力的な子であることはほぼ確かなことでしょう。実際、レイチェルのあの姿は反則すぎます。金髪がまぶしくて、スタイルは抜群、笑顔がとっても可愛いあんな子に、誰も抗える者はいないのです。
共感ポイント④明日は我が身
女子の世界が怖いのは、『明日は我が身』を痛感する瞬間が必ず来ること。レジーナは魅力的な女の子ではあるものの、意地悪された女子たちは大勢いました。だからこそ攻撃の標的にされ自分の地位さえ危うくなってしまいます。ケイディも、居場所がなくトイレでランチをしていた女の子でしたが、レジーナたちイケイケグループに入れてもらってからは、レジーナを蹴落としたり、口悪くなったりと結果レジーナのような”ミーンガール”になってしまっていました。もしかしたらレジーナよりもたちが悪いのが、自分が”ミーンガール”であるという自覚がないこと。『自分は悪くない』そんな顔をしてレジーナのようなことをやってしまったケイディは、結局は居場所がなかったはじめの頃のように、トイレでランチをするところまで堕ちてしまいます。誰かの悪口を言ったり、誰かを貶めたり、誰かを無下に扱ったりすることは、巡り巡って自分に返ってくるようになっているんですよね。
共感ポイント⑤人に依存しすぎは自分を苦しめる
主人公のケイディは、本当は数学好きで頭が良くて、意地悪したり悪口を言ったりするような子ではない子でした。でも、レジーナたちのグループに溶け込むためにと吐いた悪口をはじめに、どんどん抜けられなくなってしまっていました。ありのままの自分だった頃にできた友達もいなくなったケイディは、偽りの自分でいることが苦痛だったでしょう。一見華やかに見えるレジーナ、カレン、グレチェンのグループ”プラスチックス”においても同じだったように思えます。
レジーナはもともとあった人たらしな側面とカリスマ性でうまく立ち回っていたけれど、きっと付いて来る子分たちをもてなすのもストレスが溜まることだったことでしょう。怒りのコントロールができずに憂さ晴らし的意地悪をしてしまったのは、トップに君臨する者ならではの苦悩だったのかもしれません。カレンはちょっと変わった特技の持ち主でしたが、そのキャラクターを活かす方向で活躍していく方が、意地悪をしている集団の一員でいるよりも自然体です。グレチェンのエンディングは、誰かに仕えるのが得意な子という特徴がある人がいてもいい、と言っているかのような締めくくりで、【ミーン・ガールズ】ならではの結論が面白いものでした。結局、誰かと一緒に居るために自分の趣味趣向を合わせていくのはみんなが疲れることなのです。それに本当は、いろんな趣味趣向の人と出会うことは、自分の世界が広がって楽しいことなのです。それぞれがありのままの自分で居ていい、そんなメッセージ性を感じます。
Woman’s おまけポイント
クイーンを決める学校行事で、クイーンに選ばれたケイディのスピーチは最高でした。人それぞれみんながありのままでいいし、みんながクイーンなんだという締めくくりとともに、獲ったティアラを、ボキボキに折ってみんなに投げるシーンは、良い意味で衝撃的でした。何よりもそれを受け取る女の子たちが、互いにこれまでのことを許し合い、互いに認め合ったことが分かるような、すがすがしく晴れやかな表情だったことが印象的でした。
学園ものは今の自分と不釣り合い、と思っているアラサーの皆さん。【ミーン・ガールズ】は、私たちが若いころに感じた思いをもう一度思い出させてくれる作品です。今も女性が多い職場などで悩むことがある人もいるでしょうが、相手をけなしたり意地悪をしたりすることで自分の状況が好転するなんていうのは嘘っぱち。今もまたそう思いがちになっているのなら、そういう話で日々目まぐるしかった学生時代のことを、もう一度思い出してみてもいいのではないでしょうか?
kato
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