Woman’sおすすめポイント
若者の純愛物語とともに送られる認知症の妻を持つ夫の物語。この物語はただ単に恋路にある障害を乗り越えて結ばれた2人の物語ではありません。その先にある切なく愛に溢れた結末までを見せてくれるストーリーです。女性なら誰もが1度は憧れる大恋愛と、死ぬまでずっと寄り添って生きていく仲睦まじい老夫婦のような息の長い恋愛像の2つの面を持っているこのストーリーは、愛する人がいる人ならばその人のことをより愛おしくさせ、愛する人を探している人ならば憧れを抱かせます。
若い頃のアリーを演じている、レイチェル・マクアダムスは可愛さが溢れ出ており、思わず見つめてしまいますし、ノアを演じるライアン・ゴズリングは、彼の瞳は何故こうも哀愁漂い、言葉で言い表すよりも強いメッセージ性があるのだろうと感心してしまうほどです。少し寂し気で頑固なイケメンと奔放で可愛らしい美女の物語というだけでも魅力的です。そんな2人の思いの丈を知れば知るほどに、年老いた2人の関係性は涙なしでは観ることができません。絶対に泣けること請け合いの映画、いやむしろ思いっきり泣いても大丈夫な、翌日などに予定がない日に観るべき、目の腫れ必須の作品です。
レイチェル・マクアダムスが可愛すぎる!
レイチェルの白い肌とその透明感、そこに浮かぶコーラルなリップ、キラキラした瞳、大きく開く口とその横のえくぼ。そしてつやつやした髪がさらに美しさに拍車をかけます。ライアン・ゴズリング演じるノアは、友達と思いっきり笑うレイチェル演じるアリーに目を奪われたところから物語が始まりますが、この時レイチェルは、ノアのみならず観ている者全ての心を奪ったことでしょう。レイチェルの魅力といえば、この幸せそうな笑顔といっても過言ではありません。
この物語では、レイチェルの可愛さが引き立つシーンがたくさんあります。ノアとアリーの出会いのシーンは然ることながら、ノアが衝撃的なデート権獲得事件を起こした後に、街でアリーに出会うシーンでは、レイチェルは緑のワンピースに身を包んで落ち着いてノアを弄ぶ態度を取ります。この緑のワンピース、レイチェルの肌の色ととてもよく似合っていました。仕事終わりのノアに叫び走りながら抱き着くアリーや、ソフトクリームをノアの顔につけてはしゃぐシーンでは、アリーの可愛らしいキャラクターが目立ちました。ジェームズ・マースデン演じるロンに求婚された時の、頬を上気させ高揚したアリーも、まさに幸せがピッタリ似合う女の子といった感じで、レイチェルにしか出せない少女感と上品さが入り混じった存在感があるアリーに仕上がっています。
ライアン・ゴズリングが渋格好いい
時代と木材関係の仕事柄、いい身なりはしていません。しかし、真っ直ぐな態度や、詩を朗読するというギャップ、少し憂いのある眼。そこから醸し出される彼の佇まいや持っている雰囲気は、世の女性たちの心を掴むのには十分でした。アリーにとってもその点が魅力的だったのでしょう。ライアン・ゴズリングと言えば、最近は【ラ・ラ・ランド】で有名ですが、その時も売れないジャズミュージシャン役で、ちょっと恵まれない境遇でした。ライアンの持つはかなげな印象が、そういった役に深みを持たせてくれるのかもしれません。
物語の初めのノアは、髭は生やしておらず、真っ直ぐにアリーを好きな好青年でしたが、後半でのアリーと別れた後の、髭の生えたノアは一気に大人びてみえます。がっちりとした男らしい体格に、たっぷり蓄えた髭と、少し無精な雰囲気がなんとも“渋格好いい”ライアン・ゴズリングなのでした。
物語の構成に脱帽
結論から言えば、デュークは実在する人物ではありません。“デューク”はノアが演じている架空の人物です。はじめはそのことに気づかせずに物語が進むので、「何故デュークはアリーの若い頃のお話を読み聞かせるのだろう?」と一瞬だけ疑問に思います。その一瞬の疑問を、物語を進めることで解決していくストーリーは完璧でした。違和感が“一瞬”だけある、というのがミソな気がします。違和感だらけだと、その後のストーリーよりも違和感を気にしすぎてしまいますし、あまりにストレートだと、物語の感動が薄れてしまう気がします。そこにいる老夫婦の若い頃の物語であり、妻が記憶をなくしているため、夫が妻を怖がらせないように別人となり、自分のことを思い出してもらおうと、希望を持って待っている状況が完全に飲み込めるようになるまで、観ている人を惹きつけたままストーリーを展開しています。
物語の真意
ノアとアリーの恋愛は、身分の違い、親の反対、引っ越し、相手の婚約・・・物語として聞いていた年老いたアリーが、頭を悩ませる程、ただでさえ壮絶な純愛ストーリーです。大恋愛がテーマの作品であれば、若い頃の壮絶な恋愛模様を描くだけで十分だったはずです。しかし認知症に向き合う現在のノアとアリーを見せることで、大恋愛のシーンは、認知症の与えるダメージをより伝えることに効果的でした。
ノアとアリーは大恋愛ののち家族を築きますが、認知症のアリーはそれを覚えていません。出会った時のことも、あんなにお互いに愛し合ったことも。それを製作者は私たちに伝えたかったのではないかと思います。愛する人が認知症になる、そのことの辛さを。幸い、アリーはたまに本来の自分に戻ることがあり、その時は“デューク”をノアと呼び、愛していると伝えます。愛する人が認知症になったとしても、心の奥底では、相手も自分のことを愛してくれているという、忘れがちなことを、私たちに伝えているのです。
古き良き時代が目に心地よい
物語の原作は、1996年のニコラス・スパークスの小説です。舞台となっている時代もきっとその頃かもう少し昔の事なのでしょうか。街並みはサウスカロライナ州のチャールストンとのこと(参照:https://www.gousa.jp/trip/southern-movies-location)。作品中も、古風で可愛らしい建物が、ノアとアリーのロマンティックな雰囲気を盛り立てていました。古い時代の設定と歴史感じる街並みで撮影されたことで、作品を観ていると少しだけタイムスリップしたような気持ちにさせてくれます。
チャールストン近郊にあるブーン・ホール・プランテーションという農園でも、いくつかシーンを撮影しているようですが、自然豊かなこの場所の映像は、とても美しく、大恋愛をする2人の美しい思い出とマッチしていました。この場所は、かの有名なブレイク・ライブリーとライアン・レイノルズの挙式もあった場所だそうで、その綺麗な景色に心奪われる人も多いのでしょう。(参照:https://www.vogue.co.jp/lifestyle/travel/2014-11-12)
Women’sおまけポイント
実は、監督のニック・カサヴェテスは、高齢のアリーを演じたジーナ・ローランズの最初の配偶者ジョン・カサヴェテスとの息子でもあります。息子の作品に出演する母なんて格好良すぎますね。
ちなみにノアを演じるライアン・ゴズリングと、ブレイク・ライブリーの夫であるライアン・レイノルズはとても似ていますよね・・・。顔が似ていて名前が同じなんて大変ですが、この作品に出演している渋格好いい男性は、ライアン・ゴズリングです。
kato
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