洋画【アバウト・タイム~愛おしい時間について~】『最後だと思って今日を生きる』を体感する映画

chairs for relaxation in empty room 号泣ストーリー
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Woman’s おすすめポイント

時間に追われて1日が過ぎ去り、あまりに疲れすぎて「はやく1日が過ぎ去ればいいのに」と思いながら毎日を過ごしてしまっていませんか?あるいは、面白いことが起こらない平凡な毎日を、退屈だと感じて適当に過ごしてしまったり、忙しさにかまけて愛する人へ愛を伝える時間を後回しにしたりと、ついしてしまいがちな人も多いことでしょう。この映画は、そんな人にこそ見て欲しい映画です。『最後だと思って今日を生きる』という言葉を何度も文字で伝えられてもなかなか本気で考えられなかった人でも、これを観ればこれからの1日を大切に生きたいと思えるはずです。

レイチェル・マクアダムスの可愛らしさがまたも爆発

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レイチェル・マクアダムスと言えば、【きみに読む物語】や【きみがぼくを見つけた日】、【君への誓い】など、号泣シリーズでお馴染みの女優さんです。可憐な可愛らしさが号泣物語の回想シーンをより一層幸福感溢れるものにし、その後の号泣シーンをさらに切なくさせるNo.1女優と言っても過言ではないでしょう。【アバウト・タイム~愛おしい時間について~】では、タイムトラベラーが恋に落ちる女性と言う役柄で、今回は物語を支える側に立っています。しかし、彼女がいるだけで観る人の楽しみをもう1つ増やしてくれるのです。彼女の整った大きめの口は、彼女の笑顔をますますハッピーフェイスにしてくれますし、顔立ちの可愛らしさ、素朴な雰囲気を醸し出す彼女の空気感など、見惚れてしまいます。

彼女の着こなしのビジュアルもその楽しみの1つですが、ドーナル・グリーソン演じるタイムトラベラーであるティムとレイチェル・マクアダムス演じるメアリーの歴史を地下鉄で見せるシーンでは、様々なティムとメアリーを見せてくれており、その中で、パンツ×シャツ×カーディガンの通勤スタイル、パーティーに参加する感じのリトルブラックドレス、(何の催し物かは分かりませんが・・・)ウサギの着ぐるみスタイルなど可愛すぎるレイチェルを見放題です。他にも見逃せないのが真っ赤なウエディングドレスを着たレイチェル。雨のウェディングにとても映えているシーンです。

過去を変えるチャンスを与えられた”タイムトラベラー”。でも・・・

shallow focus of clear hourglass
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過去と現在を行き来することができるタイムトラベラーのティムが主人公のお話ですが、タイムトラベラーの”先輩”の父親にルールを教わりながらタイムトラベルを使いこなすシーンを観て、最初はとても魅力的に感じるはずです。失敗したらすぐに過去に戻って別の方法を試すことができるのですから。実際ティムもこの力にいろいろあやかります。メアリーとの出会い方や、メアリーの両親に会った時の失言をやり直しも。メアリーとの初夜を何度も繰り返し、最高のものにしようとする、愛と若さゆえの行動が可愛らしくもあるシーンもほっこりします。

しかし、ティムがメアリーとの結婚式の日が雨で大荒れだったにも関わらずタイムトラベルの力を使わない場面くらいから、タイムトラベルに対する認識が少しずつ変わっていくことでしょう。結婚式の日が雨であるというのは、もしかしたら大抵の花嫁にとっては残念なことかもしれません。ましてやティムとメアリーの結婚式は、『雨の日』を超えた大荒れの日で、参列者もずぶぬれ、外の装飾や食べ物は全てぐちゃぐちゃになるほどの日でしたから、やり直すことを考えても良かったはずです。でもティムはやり直さないのです。メアリーに一応「雨で後悔してないか?」と聞きますが、メアリーは幸せそうにこう言います。

私たちの人生も同じよ いろんな天気があるわ

【アバウト・タイム~愛おしい時間について~】雨の中の結婚式後のメアリーの台詞(字幕版日本語訳)

きっとティムも満たされて幸せだったのでしょう。「いろいろ大変な式だったけど幸せ」という気持ちが、その”いろいろ”全て含めての幸せであることに気づきかけている深いシーンでした。

現在はやがて過去になり、そして未来をつくる。「過去を変える」は現在を悔いなく生きること。そしてそれが未来を変える。

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ティムは、タイムトラベラーの先輩である父親から『行けるのは過去だけで未来は無理』と言われます。過去に行けるということは、自分の過去が変えられるということです。これすなわち自分の未来を変えられるということでもあります。”現在その1”で自分のした発言が場の雰囲気を乱したら、過去に戻り発言を訂正すれば”現在その2”ではうまくいくという具合に、自分が関わる未来すなわち”現在その1,2,3・・・”を何個も知った上で選択できることは、とても羨ましいことですよね。しかし、その他にも『赤ん坊が生まれる前の過去に行くと、受精したタイミングが変わる関係で赤ん坊が変わってしまう』ことを教わります。つまり”現在その1、2、3・・・”と選択肢の分だけ、”赤ん坊その1,2,3・・・”ということ。それはつまり、可愛いくて仕方がなかった自分の赤ちゃんが、別人になってしまうという、恐ろしいことが起きるということです。

タイムトラベラーという力を持ちながらも、こういった制限によって、タイムトラベルの力では救いたい人を救えないと分かったティムが、本当の時間の中で、じっくり応援し、支えになってあげることを選ぶシーンでは、未来を変えるためには、”今”の時間の中でできることを精一杯することが大事なことや、タイムトラベルの力がなくても、我々には”今”の時間の過ごし方次第で、未来を変える力が誰にでもある、ということを教えてくれます。タイムトラベルの力については何も知らない、レイチェル・マクアダムス演じるメアリーの言葉も刺さります。

立ち直るとしたら 本人の意思がなくちゃ

【アバウト・タイム~愛おしい時間について~】妹キットカットの事故後のメアリーの台詞(字幕版日本語訳)

最愛の父と最愛の子。最愛を失い、最愛を手にする究極の場面

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この映画の最大の見どころと言ってもいいのが、父親の死と子供の誕生という対局のシーン。子どもが生まれる前の日には戻れないというルールから、これまでは自由に会いに行けていた亡き父親との時間が、新しい命の誕生とともにもう訪れることはないと、過去の父親に告げに行くシーンは、涙なしでは観ることはできないでしょう。ティムと同じくタイムトラベラーである父親が、最後に息子に語りかける言葉1つ1つが愛に溢れ、涙腺が崩壊します。ティムは、妻メアリーから父の死後に3人目の子供を作らないかと打診された瞬間から全てを悟り、とても悩むシーンがありました。タイムトラベラーでさえも、去り行く命と生まれてくる命に対しては何もすることができないという無力さが、生きている間の関係をないがしろにするべきではない、全ての瞬間を大切に大切にするべきだとという強いメッセージを感じます。

美しいコーンウォールやロンドンの景色にも注目

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コーンウォール州は、イギリスの南西端にある地域で、単にイングランドの地方の1つというよりも、独自の文化や言語などを持つ地域のようで、その影響なのか、美しい街並みが魅力的です。ティムがお父さんと歩く浜辺はボールトビーチといってトリップアドバイザーによると、イングランドのゴーランヘブン観光の上位になるほどこの地域を象徴する人気スポットのようです。ティムとメアリーが挙式した式場はポートローという小さな漁村にあるようですが、可愛らしい建物や岩がむき出しの雰囲気が素敵でした。

ティムとメアリーはロンドンで暮らしていたため、ロンドンの風情ある街並みも楽しめます。ロンドンの街並みは可愛らしくて、メアリーとティムという可愛らしい2人にとてもお似合いな街です。2人がはじめて出会い会話した通りや、ティムがポケットに手を突っ込んだまま、メアリーとキスしたキュートなシーンの街も、ティムとメアリーが出会う真っ暗なレストラン”ダン ル ノア”も実際にあります。他にも登場する街並みを歩いて、ティムとメアリーになりきる旅がしたいものです。(参照:http://abouttime-movie.jp/sp/scene.html)

Woman’s おまけポイント

man with fireworks
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出ている俳優陣が見覚えのある方ばかりで時折ギャップを感じてしまうことも。例えば、お父さんを演じるビル・ナイは2003年【ラブ・アクチュアリー】ではだらしがないロックシンガー、【パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト】ではタコのデイヴィー・ジョーンズ、【ハリーポッターと死の秘宝Part1】では魔法大臣など、遊び人や凄みのある人などインパクトの大きい役を演じてきていますが、今回の作品では息子のことを愛する愛情深い父親役にピッタリでした。

他にも、【トスカーナの休日】では風変りで子供心を忘れないキャサリン役演じるリンジー・ダンカンが、ちょっぴり子供心を残したお母さん役にハマっていました。リンジーの場合、彼女の面白そうにキラキラ光る目元が、どの役でも生きているのでしょう。メアリーがティムの彼女として初めてお母さんに会った時に、『自分の欠点はなに?』と敢えて欠点を聞き出し、その欠点をむしろ褒めるシーンがありますが、そういうことを初対面で聞き褒める役には、リンジーがまさにうってつけとしか言いようがありません。それだけ、様々な個性あふれるキャストも愛さずにはいられない作品だということです。

kato

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