洋画【あなたは私のムコになる】働いて強くなりすぎた女性に贈るラブコメ映画

woman putting wedding ring on groom s finger ラブコメ
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Woman’s おすすめポイント

2009年の【あなたは私のムコになる】ですが、まさに現代のキャリアウーマンたちに捧げたい作品の1つと言えるでしょう。実は、仕事でのキャリアがべらぼうに高く積まれた女性ほど、普段の暮らしや人生においてのキャリア、経験値は意外と少なく、放っておけないタイプの女性だったりするもの。自分の弱い部分を出すのはとても勇気がいることですが、自分をさらけ出してみたら、案外それを可愛らしいと思ってくれる人が近くにいるかもしれません。ラブコメの女王の1人サンドラ・ブロックと、爽やかイケメンライアン・レイノルズがいい具合にマッチングして、楽しく観られる作品です。

オープニングは【プラダを着た悪魔】風!?

woman wearing brown leather chunky heeled shoes
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THE GABE DIXON BANDのFind My Wayで始まるオープニングは、気分が上がる映画が始まる良い知らせを運ぶにはとっておきのスタートです。出勤前の時間にトレーニングをする時間がある場面だけでも、サンドラ・ブロック演じるマーガレットがやり手のビジネスウーマンであることは何となく想像できます。ところで、このオープニング。どこかで観たことがある場面がちらほらあるな・・・と思わずにはいられないはずです。出版社が舞台で、社内の誰もが恐れる上司と言えば、そう、かの有名な【プラダを着た悪魔】ですよね。

【プラダを着た悪魔】では部下役のアン・ハサウェイが、シャワー上がりに曇った鏡で自分の顔を映すシーンがありますが、【あなたは私のムコになる】にもあります。上司役のサンドラ・ブロックが朝のトレーニング後にシャワーを浴びて、曇った鏡をキュッキュと手で拭いて顔を映し出しています。オープニングソングの曲調や始まり方も然りです。【プラダを着た悪魔】ではKT TunstallのSuddenly I Seeとともにアン・ハサウェイやモデルたちの身支度シーンから始まります。【あなたは私のムコになる】も、ライアン・レイノルズとサンドラ・ブロックの身支度シーンが、爽やかな朝の音楽とともに流れる構成です。他にも、部下が上司のスタバを買って出社しないといけない、朝、上司が出社することを社内のみんながメールして教え合う(怖いから)、上司のことを恐れすぎている・・・と共通点がたくさん見つけられる出だしでした。

ちなみに【プラダを着た悪魔】は2006年の作品でデヴィッド・フランケルが監督、【あなたは私のムコになる】は2009年ですから、オマージュしたとすれば【あなたは私のムコになる】のアン・フレッチャー監督でしょう。【プラダを着た悪魔】が好きな人は、絶対好きなオープニングです。

サンドラ・ブロックの”堅物上司”と”可愛らしい大人の女性”両刀使い!

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サンドラ・ブロックは訳ありな役をいつも上手にこなしてくれます。今回も1年半あっちがご無沙汰で、キャリアはバリバリにあって、部下からは恐れられている女鬼上司役でありながら、ライアン・レイノルズ演じる部下アンドリューの実家のあるアラスカでは、例え子犬であっても犬が苦手で、泳げないからボートも苦手、でもアンドリューの祖母アニーの祈祷の儀式(?)という未知の領域で、知らぬ間に楽しめたり、アンドリューと元カノの間に何かあるのを感じ、ちょっと探りを入れたりする可愛らしい一面もあります。

普段は鬼上司に見えるマーガレットも人間で、必ず他の一面があることに気づかせてくれます。そして、普段は”鬼上司”としてしか見ないがゆえに気づくことがない一面は、自分から見ようとしなければ見えません。自分の近くにいる”難しい人”とレッテルを貼っていた人も、別の一面があるかもしれません。アンドリューは、そのきっかけこそ”鬼上司”の成せる技であったものの、マーガレットの別の一面を家族を通して見ることができたことで、2人の人生に新たな可能性が生まれたのです。

何より、サンドラ・ブロックが可愛いんです・・・。ツンデレなサンドラ・ブロックは需要がありますね・・・。ブルネットで瞳もダークカラーな見た目から、サンドラを硬派なイメージと捉え、かつサンドラの持前の明るい性格と美人な顔立ちを武器に、”堅物で硬派な女性が実は可愛いところがある女性”という意味で”ツンデレ”な役回りがピッタリなのでしょう。(そしてサンドラのジャストフィットなスーツ姿が格好いい!!)今回もまさにこのパターンです。

ライアン・レイノルズが物語内で男を上げていく!

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Photo by Simon Migaj on Pexels.com

ライアン・レイノルズ演じるアンドリューは、マーガレットの部下として耐え働きながら、いつかは編集長として昇進することを夢見ているビジネスマン役です。イケメンであることは出だしから変わりないですが、寝坊気味のスタートからコーヒーをこぼしたり、上司であるマーガレットに振り回されたりと、ビジネスマンとしては、というか男としては正直頼り甲斐があまりない男性の印象でした。しかし、アンドリューの地元であるアラスカのシトカに行ってからその印象は次第に覆っていきます。

自分のことを語る暇がなかったので序盤で語られることはなかったのですが、実は地元では名家で知られるところの出であるアンドリュー。マーガレットもシトカに到着してすぐにアンドリューのファミリーネームの付いた店ばかりの街並みや、大きな邸宅を目にして驚きを隠せていませんでしたが、それだけの家柄でありながら、自分の力だけで働くことを決めて努力していたことを暗に知ることで株がぐぐんと上がりますよね。

それだけでなく、アンドリューが斧を握りしめ木を掘っている男らしいシーンや、家族を大切にするシーン、しかし父とは分かり合えずも父に認めてもらいたいと思いながら葛藤しているシーン、慣れた土地で堂々としてリードしてくれるシーンなど、マーガレットだけでなく視聴者も、アンドリューに抱いていた印象を塗り替えずにはいられないシーンがたくさんあるのも見ものの一つです。大自然でも生きていけそうなカントリーな男性って、素敵ですよね。

強い人ほど隠してる寂しい気持ちや悲しい気持ちに胸がぎゅーっとなる

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アラスカに着いてからマーガレットはアンドリューのことを知ろうと、質問を投げかけます。その質問の中には、アンドリューがあまり人には聞かれたくない父親との関係について問うものもありました。案の定答えないアンドリューに対し、マーガレットが自分の好きなことや生い立ちなど自分について語り始めるシーンがあります。ここは物語の中でも大切な役割を担うシーンで、これを期にアンドリューとマーガレットの関係が変わり始めると言っても過言ではありません。

その中にはマーガレットがまだ少女だったころに両親を亡くし、自分1人で生きていたことや、男性との関係がしばらくないことなどパーソナルなことが含まれていました。職場で悪口を言われた後に1人で泣いていたことを聞いたアンドリューは、とても意外だという驚きとともに、気にも留めていない冷徹上司だと思っていた人が、1人の普通の女性であったことを実感し、愛おしさが増したような表情をしているのが印象的です。

その後も、アンドリューの家族に迎え入れられ、アンドリューの家族の歴史や家族の想いを聞いたマーガレットが、本当にこのままアンドリューを偽装結婚に巻き込んで良いものかと悩むシーンがありますが、その時のマーガレットこそ本物の彼女だったのでしょう。”家族”というものに心のどこかで飢えていたマーガレットの気持ちに気づくあの場面では、きっとだれもが愛をあげたい気持ちになります。強いと思っていた人が弱みを見せるとき、その強さはその人が自分自身を保つためのものであったに過ぎないと気づかされます。強い人の持つそういった悩みや苦しみほど、胸が締め付けられるものはありません。

図らずも見つけてしまった本物の愛に胸きゅん

monochrome photo of couple holding hands
Photo by Min An on Pexels.com

アンドリューとマーガレットの2人の物語は、上司のマーガレットがアメリカ滞在のビザが切れて国外追放にならないために、部下アンドリューを脅して偽装結婚をさせることから始まります。文字通り偽物の愛から始まっています。しかし、始まりはどうであれ、アンドリューとマーガレットはお互いのことを知ろうとしていくうちに、本物の愛を見つけてしまいます。始まりは、アラスカで婚約発表をしたときに、仲間から本物のキスをねだられてから濃厚なキスを交わしたところからでしょう。お互いに『意外にいいかも』という表情をしています。また、偽装結婚を持ちかけられたことで、今まではマーガレットの完全なる下敷きだったアンドリューが、ひとまず対等な位置に居られるようになったことも影響しているでしょう。

どちらにせよ、小さなきっかけにすぎません。アンドリューはひどいと言いながらも3年間も人使いの荒いマーガレットの下で働いてきましたし、マーガレットは自分と同じ味のスタバをアンドリューが飲んでいると思った時の反応が少々期待したように見えたことから、お互い多少なりとも尊敬の想いなど、相手に対するプラスの感情があったのでしょう。ただ、いつもの環境ではお互いにそのプラスの感情を突き詰めてみようとは思えなかっただけのように見えました。アラスカの旅は、そんな2人が自分の気持ちに気づく最高の旅でした。それぞれの素にきゅんとしてるのに「別に~」というような感じを出す2人に、こちらがきゅんとしてしまいます。

Woman’s おまけポイント

assorted gift boxes on brown wooden floor surface
Photo by Andrea Piacquadio on Pexels.com

偽装結婚の直前に、マーガレットはとても迷ってしまいます。アンドリューやその家族を本当に愛してしまったがゆえの迷いです。偽装結婚だから迷っているとも捉えられますが、通常でも結婚は、ある意味不安や迷いの中で覚悟を決めて行うものでしょう。1人でいた時以上に体験できることが増える、つまりは世界が広がるものですから、未知の世界へと飛び込む気持ちは迷う気持ちを生んでもおかしくありません。ただ、その”怖いほど誰かを愛する気持ち””不安でもそこから先に進みたい気持ち”こそが、本物の愛の証であるのではないでしょうか。偽装結婚だとしても、アンドリューとマーガレットの間には、明らかに相手を思いやる気持ちが芽生えていました。それこそがまさに本当のリアルな気持ちなのです。そして結局はそういった気持ちを埋められるのも、お互いであるということを私たちは忘れてはいけませんね。

kato

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