プロローグ
30歳を目前にする、もしくは30歳を超えて間もない年齢の人のことを指すアラサー。アラフォー、アラフィフなどの言葉も同時に世の中に出回った中で、”アラサー”という呼び名がここまで世の中に浸透したのにはきっと理由があるのでしょう。そう、30歳は様々なことが起こるターニングポイント。特に女性に”アラサー”を意識する人が多いのは、女性の30歳には一大イベントが多いからではないでしょうか。結婚、出産を経験する人が多い年齢であるとともに、最近ではキャリア女性も多いため、この年頃になると、新入社員や新米という立場から責任のある立場への昇進や、長年勤めた会社を離れ転職しキャリアアップを図るタイミングとなることもあります。自分の人生に向き合い、人生の方向を選ぶタイミングにある私たち。そんな私たちアラサーには、お手本となる女性像が絶対的に必要なのです。だんだんテレビに映る芸能人たちも、自分よりも年下になってくる我々の目指すべきは、良い年の取り方をされている美熟女たち。そんな美熟女たちの美の秘訣を探ります。
ダイアン・キートンがすごい① 自分のファッションスタイルを持つ
ダイアン・キートンのすごいところは、歳をとっても魅力が維持される・・・それどころか魅力が板につき、さらに確固たるものとなっているところです。その魅力のうちの1つとなるのが、彼女自身によく似合ったスタイル。彼女のスタイルと言えば、周知の事実、甘すぎないマニッシュファッションです。アカデミー賞やゴールデングローブ賞で主演女優賞を獲得している【アニー・ホール】の頃1977年当時30歳、31歳(ダイアンの誕生日が1月5日と早生まれなので!)の頃から、今のテイストを見出していたようです。当時は「アニー・ホール・ルック」と呼ばれるほどに、ダイアンが着こなしたメンズジャケット、シャツ、ネクタイのパンツスタイルが世界的ブームになりました。どうやら自前のクローゼットしたものもあったとか。(参照:https://kobebeauty.club/2018/07/06/diane-keaton/)
2000年代でいうと、【最高の人生のつくり方】での衣装も魅力的でしたね。シャツルックやシンプルなVネックニットにパンツやざっくり柄のスカートを合わせ、ドット柄のスカーフを首に巻いたり、ハットを被ったり、存在感のある太いベルトでベルトマークしたりと、大人の女性のシンプルコーデを、持前のセンスで遊んでいる感じが、大人としてのきちんと感と余裕を感じられます。驚きなのは、この撮影時にも自前の服を使っていたということです。ダイアンのスナップショットなどを見ると、どこかでみたな~という小物が使われている印象があります。似たデザインで本当は違うのかもしれませんが、太い黒ベルトはよく見かける気がします。自分が好きなもの、似合うものを知っていて、シャツルック、パンツルックの甘みを抑えたマニッシュファッションを公私ともに貫くダイアン。紛れもなくこれは、彼女の魅力の源でしょう。
ダイアン・キートンがすごい② いつの時も”似合う”を探す
今となってはダイアン・キートンのトレードマークとして有名なグレーヘア―と縁のある眼鏡ですが、若い頃は眼鏡でも、もちろんグレーヘア―でもありませんでした。もともとはおそらくダークブロンドだった彼女ですが、時とともに抗うことなく髪色を変化させてきています。上述した【アニー・ホール】やさらに前の1972年【ゴッドファーザー】の頃はダークブロンドでしたが、もともと少しアッシュがかった色合いだった髪色を活かし、グレーとブロンドが混ざったような色合いになり(ハイライトが入ったかのような色合いは、何カラーというのでしょうか、綺麗ですよね)、最終的に現在のグレーヘア―へと辿り着きました。
以前は着けたり着けなかったりしていた眼鏡を、2000年以降からは確実にオンしているダイアン。ちなみに1946年生まれのダイアンですから、2000年の時点で54歳です。この髪と目の変化は、私は年齢的なものであるのかもしれませんが、ダイアンの良いところはこれらを自分の魅力へと変えていることなのです。ダイアンは髪色を元の色に戻そうとすることや、コンタクトを入れて眼鏡を使わない生活に戻ろうとすることはしませんでした。今の自分を受け入れて、今の自分が一番魅力的に見える方にシフトしているのです。それは、常に自分が魅力的に見えるかどうかを研究していなければできないことだと思います。変化にもいろいろあります。年齢のことだけではありません。演じる役どころがいつもと違ったり、暮らしの変化があったり。その都度、また自分を知り、自分と向き合い、受け入れる。その上で似合うものを見つけていくダイアンスタイルは、まさに生き方のスタイルといっても過言ではないでしょう。眼鏡も現在のヘアスタイルも彼女のトレードマークとなっているだけでなく、彼女にとてもよく似合うために魅力アップに貢献していますよね。
ダイアン・キートンがすごい③ 歳?そんなものない。自分があるだけ。
彼女は1946年1月5日生まれの74歳。あと3か月ほどで75歳にもなろうとしています。そんな彼女がしてきたこと、言ってきたこと、それらの中から分かるのは歳をとることを恐れないことでも、歳をとることを受け入れることでもありませんでした。彼女が彼女であり続けたことが、彼女を作っているのです。彼女が50歳を過ぎてから2人養子をとることができたのも、そういう考えがあってこそだと思います。きっとダイアンは、自分がやりたいことはやるべきだと飄々と答えるでしょうが、どの人も年齢を重ねた自分の変化に驚きすべてのことに年齢を言い訳にしてしまう経験はあることでしょう。それをアラサーである私自身も既にしていたのですから、そんな私たちからすれば、50歳での子育てに踏み切ることは相当な勇気が必要なことです。そして大抵はその勇気を出せずに終わるでしょう。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%B3)(参照:https://www.cinematoday.jp/news/N0062586)
ダイアン・キートンがすごい④ ダイアンの言葉の重み
彼女の言葉の中にこういった言葉があります。
“私が60歳を過ぎてから学んだもっとも大切なことは恐れないということ。私は全てを恐れ、怯えていた。その恐怖こそが人生最大の後悔の1つ”
https://www.vogue.co.jp/celebrity/quoteme/2018-01-05
“そもそも完璧って何?それって創造性の死でしょう?”
https://www.vogue.co.jp/celebrity/quoteme/2018-01-05
“歳を重ねると熟していくという考えは一生理解できない。私はスローダウンなんてしていないし、 ゴールを達成することはいつまでも続いていく”
https://www.vogue.co.jp/celebrity/quoteme/2018-01-05
『この歳だから○○するべきだ』『この歳にもなって○○するの?』そんな言葉で溢れる”完璧”や”一般的”を求めがちな世の中で、恐れずに突き進めるのは、こうした考え方があるからでしょう。歳というレンガを半ば自動的に重ねられていく土台の上で徐々に冥土へ近づくような考え方ではなく、自分の手で自分の選んだレンガを使って自分だけの城を築くような考え方は素敵です。いつまでも自分の周りには知るべきことややってみるべきことがたくさんあって、いつまででもそれらに挑戦すべきだと考えているダイアンワールドは、まさに”年齢”、”完璧”、”一般的”といった言葉に押しつぶされそうになりがちな女性たちの強い味方です。
年齢を素敵に重ねる女優達
ダイアン・キートンが出演している作品で、日本での公開が間近となっているのが【また、あなたとブッククラブで】。このキャストの一人であるメアリー・スティーンバージェンも素敵な大人女子の一人。近年またまた妖艶さが倍増したようにさえ見えます。男たちの最後のベガスを描いたロバート・デ・ニーロらの【ラストベガス】や、エマ・ストーン主演の【ヘルプ~心がつなぐストーリー】、サラ・ジェシカ・パーカーとヒュー・グラントの【噂のモーガン夫妻】など、ちょっと魅力的な大人の女性として登場しているメアリーも素敵です。また、【マンマ・ミーア】や【プラダを着た悪魔】でお馴染みのメリル・ストリープも可愛らしい大人の女性です。【31年目の夫婦げんか】や【恋するベーカリー】のような、夫との間のストーリーで見せる、あの可愛らしい感じが出せる女性に、ぜひともなりたいものです。
エピローグ
アラサー。それは、女性が年齢という数字が足手まといだと感じ始める頃。だからこそここいらで、もっと先を行く女性たちの強い生き方を見ておくべきなのですね。ダイアンから教わったことは、自分に似合うメイクやスタイルを研究し続けることの大切さと、そのスタイルにも通ずる、自分と向き合い学び続けるという考え方でした。”若者”から、少しずつ大人へとシフトしていく時期であるアラサーだからこそ、年齢を一つのバロメーターとして考えてしまうところがあった気がします。『自分はもう若くない』そう思ってもいいけれど、それが何かをしない理由、選べない理由にはなり得ないのです。”歳”というものにちょっと敏感になり始めるお年頃だからこそ、ダイアン・キートン先生は必要な師匠と言えるでしょう。
kato
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